いつも旅館紅鮎をご贔屓賜りましてありがとうございます。また、コロナウィルス禍での休館以降、お気遣い、ご支援など賜りまして誠にありがとうございます。
Go Toトラベルキャンペーンに関してお問合せが増えております。東京在住の方、東京発着のツアーが対象外になった他、高齢者、若者の団体での旅行、宴会を伴う大勢での旅行を控えるようにとの案内がなされており、これらの点に関して特に多くの問い合わせを頂戴しています。以下、当館の立ち位置、考え方をお知らせできれば幸いです。
当館といたしましては、何歳以上が高齢者、何名以上の人数が団体と判断させていただくことは筋違いと考えており、皆様にその判断をお願いしております。なにとぞご理解賜りますようお願いいたします。元来旅館やホテルは法律に定められている要件で衛生管理を行っており、医療機関ほどとは言えないまでも、清掃や消毒に気を付けて日々運営している施設です。政府の方針で、対面の場所にはアクリル板を設置せよ(当館ではお部屋でのチェックインにしております。)、対面での飲食は控えよ(ご家族様やご友人様での利用が多いため、お申し出があった場合の対応としております。)、など今回のコロナ対応で様々なガイドラインが発表され、ガイドラインに従い密を避け、感染拡大を防止することの重要性は当館といたしましても十二分に理解しております。ただ、加えて利用者の皆様を選別することは、残念ながら当館には出来かねます。お客様の中には「宿が大丈夫と言ってくれないと困る」とおっしゃる方、「東京からのお客を受け入れているのか」などの問い合わせもあり、コロナウィルスのような事象において100%皆様の安全を保障しかねる環境下では、ご自身でご判断くださいとしかお答えできないのが実情です。ついては、従前のご案内通り、ご予約確認の電話での健康状態確認と入館時の検温かつ37.5度以上発熱のある方の入館お断りをもって最低限の環境確保をさせていただき、お客様同士・お客様と宿との関係性の維持に努めたいと考えております。ですので、どこから来た、どんな人が来たという点を気になさる方は、もしかすると当館での滞在でがっかりされるかもしれません。*GoToトラベルの制度に関することは、7月20日時点でお答えできかねます。情報が入りましたら、随時ご案内いたします。
偉そうな言い方になりますが、困ったときはお互い様。それぞれの立場を尊重し、気持ちよく滞在しようと思って下さる方にぜひお越し願えればと思います。宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」で、自然と対峙したことで腐海を生み出した人間が、いかにしてその毒や大きな虫などの脅威と共生するかを描いておられます。コロナウィルスを必要以上に怖がることなく、人間同士がお互いにできることを精一杯行い、自然に向き合うのではなく自然の中で生かされることを考えながら、これからの暮らし、人の営み、宿の運営を続けられればと考えます。
コロナが心配でキャンセルを迷っているというお電話も増えています。心配な方は普段よりもちょっと贅沢にお買い物なさってお家でのんびり過ごされる方法もあるかもしれません。とは言え、お家でも地震に遭うかもしれない。近所で自転車事故に遭うかもしれない。食中毒になるかもしれない。いつ何どき何があるか。私たちお迎えする側も同じです。どうぞご無理ない範囲でご旅行ください。そして、ご無理ない程度に息抜きをなさってください。そんな方々の一時避難場所としての旅館でありたいと思います。何かご意見、ご指摘などございましたら遠慮なくお寄せください。皆様と共に悩み、共に解決の道を探らせていただければと存じます。
今年も夏はいつも通りにやってきました。暑い中のマスクは大変です。それもこれもお互い様。今、健康無事なのはおかげさま。そんな気持ちで皆様をお迎えしたいと思います。いつもご利用ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。
令和2年7月20日
旅館紅鮎 店主敬白