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【ロシア・ベラルーシ人宿泊受け入れ再開】

2022/04/11

こんにちは。桜が満開です、とか、県民割が始まりますというにぎやかな話題をご案内する時期ですが、前回刺激的なメッセージを掲載したせいか、中日新聞・長浜支局様より取材を受けました。今回の宣言掲載取り下げや色々な気づきがありましたので、経緯含め皆様にご説明申し上げます。

今回受けた取材は掲示板に掲載した内容に関する聞き取りと、ロシア人・ベラルーシ人の宿泊拒否を宣言することが旅館業法に違反するのではないかというご指摘でした。取材を受ける中でお答えしたのは、掲載した経緯(私がユーゴ内戦があった土地で以前働いており戦争の悲惨さを身をもって感じてきたこと、今回のロシアの行動は戦争犯罪当たること、ロシアの指導者を止めるのはロシアの国民でしかなくロシア国民に具体的な不利益が及ばなければ国家を変える行動につながらないであろうこと等)をお話ししました。その後、記者さんより弊社を監督する長浜保健所に対し今回の件が法令違反に当たるのではないかという指摘が入り、即日(4月11日)に滋賀県・長浜保健所より、「旅館紅鮎の宣言は旅館業法違反に当たるので対応を是正をしてください」と行政指導を受けました。そこで、掲載文を削除することにいたしました。ご迷惑をおかけした皆様に深くお詫び申し上げます。また、ご心配いただきました皆様に感謝申し上げます。

今回、行政からの指導が入るという大事になってしまったことに少し驚くとともに、企業としての認識不足を痛感しております。当初は思いの強さゆえに何かできることを、と取った行動でしたが、他にとれる対応があったのではないかと今は思いを巡らしております。取材に来られた記者さん曰く、公的許可を受け運営している施設として発信する情報はよほど精査しないといけないとの指摘に、現在の社会が会社の大きさに関わらず、たとえ小さな企業でも一流企業と意識を一にし、しっかりと様々なことに注意を払い日々の事業に取り組まなければいけないのだと実感いたしました。

ロシアとベラルーシの振る舞いに対して強い憤りを覚えます。ただ、ロシアやベラルーシの皆さんに罪はなく、宿泊拒否宣言がそれを糾弾するためには間違った手法ということは否定できません。なので、遠くかの地で起こることに対して何をできるのか、何をすれば戦争が少しでも早く終わるのか、日本人として・人間としてどんな風にこの戦争に関わっていけばいいのか、今回、法律違反という行政指導を受けたことに対し、旅館紅鮎として改めて出来ることを探っていきたいと思います。また、後日、中日新聞紙面で企業名を伏せた形とはいえ当館の行いを指摘する記事を掲載すると伺いました。本来、このような場所で言い訳がましい文章を掲載することは本意ではありませんでしたが、記事の書かれ方により当館の思いを曲解される方がおいでにならないよう、様々な間違った情報が広がらないように、経緯の掲載に関しては記者さんの同意を頂戴した上でご案内いたしました。お読みくださった皆様、ありがとうございました。

今回の弊社の行いを記事として広く世に問いたいとご指摘くださったことに対し、新聞は社会の公器ということを自認しての行動だと伺いましたので、ぜひ言論の持つ力でロシアとベラルーシが行う戦争・虐殺という現状を少しでも変えていただきたいと切に願います。

コロナ禍、ウクライナでの戦争、戦争に起因する経済状況の悪化、そして各地で続く地震など、平和産業を提唱する観光の分野には逆風ばかりが吹き荒れます。幸いにもお客様の応援と支えで、なんとか今も営業を続けさせていただいております。そんな中、今回の出来事を機に改めて当館がご宿泊いただく皆様に提供できるものの価値や良さを再検証するとともに、今回のような件に関する企業の立ち居振る舞いをより明確に意識し、今後も旅にお出かけくださる皆様をお迎えしていきたいと思います。時に失敗し、時に立ち止まってしまう小さな頼りない旅館ではありますが、引き続きのご宿泊、ご支援を賜れれば幸いでございます。

このたびは多くの皆様にご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。

湖岸の桜